会社に勤める社員が仕事を円滑に、そしてモチベーションを保ちながら働くために重要な社内コミュニケーション。その社内コミュニケーションを活性化させるためにどのような取り組みが効果的なのか、そして社内コミュニケーションを行う目的や効果にはどのようなものがあるのかをご紹介します。
会社自体を活性化するためにも、社内コミュニケーションの具体例を参考に、ぜひ今後の会社経営に役立ててください。
社内コミュニケーション活性の目的とは?
「社内コミュニケーションが活性化しているのは望ましいことだ」と思っている人も多いはず。しかし、具体的に社内コミュニケーションを活性化させるとどのような効果があるのか、何を目的にコミュニケーションの活性化をするのか、と聞かれてもパッと思い浮かばない、という方も多いのではないでしょうか。ここでは代表的な8つの目的についてご説明していきます。
下記に当てはまる企業は社内コミュニケーションの活性化に取り組んでみると、大きな変化を感じられるはず。ぜひチャレンジしてみてください。
- 企業理念浸透と風土の醸成
社内コミュニケーションを活性化させると、社員同士の意見交換の機会が頻繁になる可能性が高いです。そういった会話の中では仕事についてのさまざまな内容について意見を交換することになるでしょう。ときには「全員が働きやすくするためには、やり方を変えるべきではないか」、「AよりBの方がよい方針ではないか」などのように、意見がぶつかることや何か決定を下さなければならないことが出てくるかもしれません。
そんなときにひとつの指針となるのは、企業理念やビジョンなどです。会社の指針にもとづいて意見の交換を重ねるようなコミュニケーションが根付いている企業には、社員一人ひとりが「どうすべきか」を考え、より良い方法を模索するような風土が育っていくのです。 - 業務効率の向上
社内コミュニケーションが活性化していれば、誰が何の業務を得意としているか、今手が空いているのは誰か、同じプロジェクトに入れた時に相性がいい社員は誰か、など業務効率の向上に関わるさまざまな情報を得ることができるため、判断を下す助けになるでしょう。また、普段からコミュニケーションしていることで、社員のコンディションの把握もしやすいため、適切なマネジメントも可能になるのです。つまり、コミュニケーションの活性化は業務効率の向上にもいい影響を与えるといえるでしょう。 - モチベーションの維持、向上
上記のように社員のコンディションを把握して適切にマネジメントができる上司であれば、社員との信頼関係も強くなるでしょう。それはチーム全体の結束を強め、仕事へのモチベーションを維持、向上するためにとても大切なことです。この人のために働こう、チーム全体でいい結果を出そうという気持ちも自然に湧いてくるものです。また、社内コミュニケーションがうまくいっていれば、仕事もスムーズに進みやすくなるため、より働くことを楽しめるようになってきます。 - 信頼関係の構築
一緒に働いている人がどんな人かわからないという状況では、信頼関係を築くまでに非常に時間がかかります。しかし、社内コミュニケーションが円滑な企業であれば、人となりや仕事での癖、そして得意としている業務やこれまでの経験も知った上で仕事ができます。その信頼関係があれば、難易度の高い業務でもこなすことができる組織になっていくはずです。 - 情報共有
コミュニケーションが活発であれば、誰がどんな仕事をしてどのようなことが素晴らしかったかという有益な情報が多くの社員に共有されている状態を作れます。そういった情報は、行き詰まってしまったときにヒントや、新たなアイデアを生み出す源泉となりえる情報です。コミュニケーションの活性化は情報共有という面から見ても欠かせないといえるでしょう。 - 適材適所の実現
コミュニケーションが円滑であれば、業務の得手不得手や社員同士の相性などを知ることができます。そういった情報は、社員一人ひとりの能力を最大限に生かした適材適所を実現する助けになるでしょう。コミュニケーションがうまくいっていない企業では社員の持つスキルに見合わない仕事や、業務との相性を無視した起用など、効率を下げる人事を行う可能性があるのです。 - 人材の定着
社内のコミュニケーションが活発であり、これまでのすべての項目が満たされている企業というのは、社員にとって働きやすいと感じる企業といえるでしょう。社員にとって働きやすい企業であれば、企業に不満を持つ社員や転職を考える社員が少なくなるため、人材の定着につながるといえます。 - キャリアアップ支援
社内コミュニケーションが円滑だと、その会話の中から社員のやりたいことやキャリアアップへの意欲を知ることができます。それがわかれば、上司は普段の仕事でも目指すキャリアへの支援をすることができるのです。また、企業のキャリアアップ支援制度などを紹介することもできるでしょう。キャリアアップを望む社員への支援は、企業、社員の双方にとってメリットとなることですが、情報を知らなければ実践できないことです。
このような目的のために行われている社内コミュニケーションの活性化ですが、次に社内で行われるコミュニケーションにはどのようなものがあるのかをご紹介します。
社内コミュニケーションの種類
社内コミュニケーションの種類としては、縦と横の大きく2つにわかれます。その2種類の特徴と目的についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
横(部署横断)のコミュニケーション
横のコミュニケーションには、普段関わることのできない仕事も価値観も違う人とコミュニケーションすることで普段とは違う刺激を受けられるというメリットがあります。同じ部署の同じ席で同じような仕事をしている人の集まりであれば、出てくる意見にもバリエーションがなくなってきてしまうのは当たり前です。
社内全体でフリーアドレス制を導入している企業であれば、今日隣にいる人がマーケティング、明日は人事などさまざま部署の人と関わることができるのです。そうすることで、会社のことを多面的に捉えられる目を養うこともできますし、自分とは違う価値観、ものの見方の違いを知ることで刺激を受けることや、自分の仕事がこんな風につながっていたのかという発見が得られるかもしれません。
このように横のつながりを増やすことで、部署の区別にとらわれず社員同士が刺激を与えあい、それぞれの仕事にフィードバックすることができるようになるのです
縦(上司・部下)のコミュニケーション
上司と部下という縦のコミュニケーションには、横のコミュニケーションにはない気付きや学びがあります。直属の上司とは仕事上で毎日コミュニケーションを取りますが、さらに上の上司であればどうでしょうか。
直属の上司からは出てこない質問でハッとさせられることや、直属の上司には伝えにくい話など、普段の業務を離れた会話をすることで得られるものもあるはずです。
他にも、上司以外に新入社員のサポート役として先輩社員をメンターとするメンター制度を採用している企業もあります。直属の上司以外にも自分のことをきちんと見てくれている人がいることの安心感や上司には相談しにくいことを相談できる体制を整えることで、孤立・離職・メンタルヘルスの悪化などの問題解決に有効だとして注目されています。
社内コミュニケーションの具体例を紹介
最近では働き方改革で、社内コミュニケーションに対する企業の取り組みも盛んになってきています。そういった社内コミュニケーションへの取り組みの例を挙げ、どのような内容なのかをご紹介していきます。
- 1on1ミーティング
サイバーエージェントやヤフーなどが実施していることでも有名な、1on1ミーティング。月1や週1などで上司と部下が成果の振り返りや今後の改善点、キャリアについて話すのが主な内容です。定期的に行うことで日々忘れがちな目標を再認識できたり、改善点のヒントや気づきをもらい仕事に活かすことができたりといった効果が期待できます。 - 社内カフェ、バー
株式会社シフトブレインの「社内カフェ」、クルーズ株式会社の「社内Bar」、株式会社Eyes,JAPANの「アイスクリームブレイク制度」などがあります。社内に部署を超えて人が集まる空間を設けることで普段話す機会の少ない部署や上司、部下などとの社内コミュニケーションを活性化させ、新たな視点や会社を多面的に捉える考え方の養成、またリフレッシュできる空間になることで福利厚生につながるというメリットが期待できます。 - 体験型コミュニケーション
株式会社カヤックの「ぜんいん社長合宿」や「ぜんいん人事部」、株式会社ワークスメディア「社内ポーカー大会」、株式会社スタートトゥデイ「FRIENDSHIP DAY」、クックパッド株式会社の「Shared Kitchen&Lounge」などが体験型コミュニケーションの特徴です。縦横関係なくさまざまな人が入り混じって交流することにより、横と縦のコミュニケーション両方のメリットを得られる可能性があります。また、一緒に体験することで、一体感や親近感を育む効果も期待できるでしょう。
社内コミュニケーションを活性化して企業成長につなげよう
社内コミュニケーションを活性化することで、社員のモチベーション向上や業務効率向上などさまざまな効果が期待できます。社内コミュニケーションが大切だとはわかっていてもなかなか取り組めていないのであれば、ぜひこの機会に取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。会社で共に働く上司や部下、同僚がどんな人なのかを知ることで、それぞれの得意不得意や人となりを理解して仕事することができ、効率的に仕事をすることができるようになるはずです。