「働き方改革」で注目されるテレワークのメリットと、デメリット解消法

「働き方改革」のなかでも注目度が高いテレワーク。導入する企業も増えており、ご存じの方が多いかもしれません。テレワークによって、どのような業務改善が期待できるのでしょうか。また、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。事例とともにご紹介します。

テレワークとは?

テレワークは、「テレ=離れた場所」と「ワーク=仕事」を組み合わせて生まれた造語で、通常のようにオフィスに出社する勤務形態とは反対の働き方を意味します。具体的には、ICT(情報通信技術)を活用して自宅や外出先、サテライトオフィスなど、企業のオフィスにとらわれずさまざまな場所で働ける勤務形態のことです。

テレワークが注目されるようになったのは、政府が主導する「働き方改革」がきっかけです。日本では、オフィスに出社して長時間拘束されて働くという旧来の勤務形態が根強く残っています。しかし、それが子育てや介護をしなければならない女性の労働力の減少につながっていると考えられるのです。

子育てや介護と仕事を両立するうえで問題となるのは、保育園への送り迎え、子どもの急病、介護をする場所から離れられないことなどがあります。これらの問題をクリアしながら仕事をするのは物理的にも精神的にも負担が大きく、仕事を続けられなくなるケースが多々あります。そのような原因で離職を余儀なくされることの解決策として、テレワークを認める企業が増えてきているのです。

出社が不要であれば働ける社員が、子育てや介護を理由に離職しなくても済むように、柔軟な働き方ができるようにしていこうという流れが生まれてきています。

テレワークの業務改善効果やメリット

実際にテレワークを導入することで、どのような業務改善効果が期待できるのでしょうか。

  1. 生産性の向上
    ICTを活用することで、外回り業務での移動中、移動先での空き時間、自宅での育児や介護の合間などに仕事ができるようになります。時間と場所を問わずにオフィスと同じ生産性で勤務できるため、トータルでの生産性向上が期待できます。
  2. ワーク・ライフ・バランスの充実
    時間と場所を問わない働き方が可能なため、社員が自身のワーク・ライフ・バランスを調整できるようになります。例えば、通勤ラッシュ時に電車に乗るストレスからの解放につながるほか、通勤時間そのものがなくなることでプライベートの充実が図れます。
    また、育児や介護と両立しやすいだけでなく、より働きやすい環境を構築することができます。そして、従業員満足度の向上、災害発生時にも身の安全を確保しながら働けるといったメリットも生まれてきます。
  3. 採用力強化・定着率の向上
    従来の勤務形態では、能力の高い人材でも時間や場所の制約で通勤できない場合は採用を諦めるしかありませんでした。テレワークを導入することによって、そのような人材も採用の対象となるため、企業としての採用力が強化されます。そして、「働き方改革」の実施企業として注目されるようになれば、応募者が増加する可能性も高まるでしょう。また、障がいを負って通勤が難しくなった社員や、夫が転勤するために遠隔地に転居する女性社員も仕事を辞めずに済むようになります。テレワークという働き方が実現すると、従来の働き方では離職を免れなかった人材が定着できるようになるのです。
  4. 固定費の削減
    従来の働き方では、企業はオフィスとなる場所に加え、全社員分のデスクやキャビネットなどの備品を用意する必要がありました。テレワークであれば、社員がそれぞれ別の場所で働くようになるので、オフィスの水道光熱費や賃料などを削減できます。削減が難しい固定費を節約できるのは、企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

テレワークのデメリット

多くのメリットがあるテレワークですが、以下のようなデメリットも考えられます。

セキュリティー面の懸念

仕事をする場所がオフィスに限られている場合は、オフィス内と限定的な持ち出しデバイスについて対してのみのセキュリティーを考えればよかったのですが、テレワークではその範囲が大きく広がります。社員がさまざまな場所で仕事をするようになると、デバイスの置き忘れや盗難、インターネット環境での情報流出などの可能性が考えられるためです。
テレワークをスタートするにあたっては、まずは社員のセキュリティーに対する意識を高め、必要なセキュリティー対策をしなければなりません。テレワークの生産性の高めるには、いつでもどこでも会社の情報にアクセスできるようにする必要がありますが、それによって情報漏えいのリスクが高まる点は無視できない事実です。

人事制度の見直しが必要

オフィスに出社していれば、タイムカードなどで就業時間を把握できますが、テレワークの場合はその手段がありません。そのため、従来の勤怠管理による人事評価は意味をなさなくなるでしょう。
これまでは時間どおりに出社して勤務していれば、あまりにも怠慢な仕事ぶりでない限りは評価されていた部分もありましたが、テレワークの導入を契機に成果主義に切り替えるとなると、成果を適正に評価できる基準や制度が必要です。また、勤怠管理をするのであればどのような管理ツールを使うのかといったことをはじめ、人事制度の見直しが必要になります。

コミュニケーション不足の可能性

テレワークを導入することで、社員間のコミュニケーション不足やチームワークの低下が懸念されます。電話やメール、チャットツールによるやりとりが中心になると考えられますが、対面で話すときとはコミュニケーションのとり方を変えなければなりません。また、コミュニケーションロスを防ぐとともに、コミュニケーション不足を解消する方法を考えることも重要です。

テレワークで業務改善を実現した事例

テレワークによって業務改善を実現するには、具体的にはどのようにすればいいのでしょうか。総務省の「テレワーク先駆者百選取り組み事例」から、3社の事例をご紹介します。

株式会社AsMama

地域交流事業などを行う株式会社AsMamaでは、子育てや介護をしている人や遠方に住む人でも働ける環境を提供できるように、創業時からテレワークを導入。オフィス勤務が必要な部門以外のすべての社員が毎日テレワークで勤務しているそうです。また、社員が各自で業務時間を調整できるようにフレックス勤務制度も導入し、勤怠管理にはオンラインのタイムカードを利用しています。コミュニケーション不足の問題に関しては、バーチャルオフィスツールを活用してデメリットを払拭しています。

テレワークを導入した結果、光熱費やオフィス賃料の削減、ワーク・ライフ・バランスの向上、休職者の復帰促進と離職防止などの業務改善を図れたことに加え、地方の人材を採用したことでその地域でのイベント開催が実現したそうです。

NTTアイティ株式会社

情報通信業を営むNTTアイティ株式会社では、全組織・職種を対象に在宅勤務によるテレワークを導入しています。ただし、上限は月5日、営業日で2日連続までという制限を設けているそうです。柔軟な制度運用をしており、半日の在宅勤務後、残りの半日を休暇にすることもできます。

リモートアクセスによって、社外のPCやタブレット、スマートフォンなどから会社のPCを操作できるため、移動中や出張先など場所を選ばずに業務ができるようになりました。その結果、生産性の向上や業務停滞の解消につながったそうです。さらに、客先での打ち合わせやプレゼンの際に、機密情報を持ち歩かずに済むというメリットも得られました。

MSD株式会社

製造業を営むMSD株式会社では、全社員約3,800人のうち、約600人が在宅勤務を、約2,400人がモバイルワークを実施しています(2015年実績)。2009年の導入当初は内勤業務対象に週1日を上限としていましたが、2016年には全社員が対象となり、理由や日数の制限なく上長の承認のみで利用できるようになりました。

導入のメリットとしては、介護や育児による離職の防止、障がい者の雇用促進、産休からの復帰促進、災害発生時の安定した事業継続などが挙げられます。

テレワークで働きやすく選ばれる企業に

テレワークの導入によって業務改善や従業員の満足度向上を実現できれば、優秀な人材の離職防止と定着率のアップが期待できます。また、「働き方改革」に早期取り組みをすることで、採用力のアップにもつながるのではないでしょうか。

 

参考:

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